翻訳と人物像
翻訳家や翻訳会社などは、小説などの媒体を翻訳する際には、登場人物の人物像を、しっかりとつかんでいる事が大切になってくるのではないでしょうか。
小説に出てくる人間でも、外見や性格に、年齢や職業などの設定をもっているので、翻訳する際には、それらを考慮した言葉遣いなどで表現しなければいけませんし、それらを、無視してしまうと、一体誰が話しているのかわからなくなってしまったり、急に老けた様な物言いになってしまう事もあるのです。
例えば男女の掛け合いで、男性が、「実は、あなたの他に好きな人が出来ました」と言うセリフに対して、女性が「なんて事でしょう、あなたを殺して私も死ぬ事にします」と言った様に、人物像を確立していないと、どちらが男性かの区別も付きづらく感じてしまいますし、この場合は、「言いづらい事だけど、俺はおまえ以外の女を好きになってしまったんだ」に、「ああ、なんて事なの、こうなれば一緒に死ぬ意外に道はないわ」の様な掛け合いにすれば、おぼろげですが、人物象を感じる事が出来るのではないでしょうか。
これに対して、「私は、君ではない女性を愛してしまった」に、「あなたはそう言った人物でしたね、覚悟は出来ているわ、一緒に死にましょう」と言った掛け合いにすれば、上記の表現より、少し高齢な男女の様に感じるのではないでしょうか。
この様に、喋り方を変えるだけで、年齢や性格などの人物像を付ける事が出来るのです。
翻訳とカタカナ語の使用
翻訳とは、海外の文章を日本語に訳すので、どうしても海外の表現を使わなければいけない場面などもありますが、無理に日本語に直そうとせずに、カタカナ語などを混ぜた方が読みやすい場合もあります。
外来語と言うものがあるくらいに、日本においても定着している言語はありますし、それらを全て日本語に翻訳しようとすると、余計に分かりづらくなってしまうでしょう。
例えば、「彼はホテルでチェックインを済ませると足早に部屋へと向かった、部屋に入るとオルゴールが飾ってある事に気づいたが、喉がかわいていたので、まずは、グラスにウィスキーを注ぎ飲み干した」と言った文章を、カタカナ語を使わずに翻訳しようとすると、「彼は宿泊施設で受付を済ませると足早に部屋に向かった、部屋に入ると箱形自動演奏楽器が飾ってある事に気づいたが、喉がかわいていたので、まずは、洋風湯のみに火酒を注ぎ飲み干した」の様な、何やら分からない文章になってしまいます。
この場合は、「チェックイン」を「受付」としたのは良いかもしれませんが、その他はそのままで良かったのではないかと思いますし、翻訳会社や翻訳者は、カタカナ語の多様は控えた方が良いですが、必要なものは残しておきましょう。